−−韓国人のキムさんの出身はどちらですか。
【キム】生まれはソウル近郊の国際空港で有名な仁川(インチョン)です。大学を卒業する24歳まで実家に住んでしました。24歳というと大学を留年したのかと日本の方は思うのでしょう。しかし、韓国の場合、30歳までに2年から2年半の兵役に就くのが国民の義務になっています。大学生のほとんどは在学中に休学して兵役に就きます。私は2年半、陸軍に所属して戦車を操縦していました。
−−大学を卒業して最初に就職した韓国の会社はどのような職種だったのでしょうか。
【キム】電線やケーブルなど金属材料を製造する工業系の会社でした。6年ぐらい勤めましたが、そこでは経営企画や営業企画、マーケティング関連の業務を行っていました。現在、私は海外営業の仕事をしていますが、当時の会社では韓国内の仕事を担当していました。現在とは違って、外国人と交流することほとんどありませんでした。
−−その6年間を経て次はどうされましたか。
【キム】日本の会社に就職しましたが、実は就職する前から日本に行くことは決まっていたのです。まず来日して、それから半年の間、日本で就職活動を行いました。韓国で日本の就職先を決めてから来日したわけではありません。
−−日本で働きたいと思った理由を聞かせてください。
【キム】先ほど言ったように、最初に働いていた会社では国内市場の営業企画やマーケティングを担当していました。しかし、私としては海外市場での営業企画やマーケティングをやりたかった。この会社で働いていたらこの先も変わらないのではと考え、日本で働こうと思いました。