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井上 大輔氏厚生労働省 大臣官房厚生科学課バイオテクノロジー専門官
――厚生労働省として医療のビッグデータをどのように活用しようとしているのか、大まかな方向性を聞かせて下さい。 【井上】厚生労働省としては、データヘルスに積極的に取り組んでいます。省内では、データヘルス改革推進本部を2017年1月12日に立ち上げました。データヘルス改革推進本部は昨年10月に行われたICT懇談会等を踏まえて立ち上げられた組織で、今後価値が大きくなっていくビッグデータを健康・医療・介護の分野で活かしていくための環境整備を行っています。みんなデータの持つ価値に気づき始めてきていて、海外の企業などは多額の費用でデータを買い取ったとの情報があります。 ――海外企業は動き出しているとのこと。日本企業の情報はありますか。 【井上】日本企業も動いています。やはりAIに乗り遅れるなという雰囲気があり、具体的に取り組んでいる企業があります。もちろん取り組みについては企業間に温度差がありますが、今後やっていかないと乗り遅れるという危機意識はあると聞いています。 ――具体的にはどのような医療機器ですか。 【井上】メインになると考えているのは診断機器です。診断機器は貿易額でいうと黒字、強い分野です。個人的な意見を言わせていただければ、この分野でのAIはチャンスではないかと。
大竹 真由美氏みずほ銀行 産業調査部医療機器担当 調査役
米国共和党下院は3月25日、下院本会議での採決を予定していたオバマケア見直しのための改廃法案を撤回しました。トランプ大統領と共和党幹部が立案した代替案がオバマケアの一部を存続する内容であることに対して、完全撤廃を主張する共和党内の保守強硬派と、無保険者の増加を懸念する穏健派が反対したことが撤回の理由です。 しかし、5月4日の下院本会議では、オバマケア見直しの代替法案が可決されました。代替法案は共和党内の保守強硬派に配慮し、既往症のある人に州の判断で割高な保険料を認める一方で、既往症のある人への保険料の負担軽減措置として、5年間で80億ドル(約9,000億円)の支援策も盛り込んで穏健派の支持も取り付けました。見直し案議論の舞台は上院に移りましたが、現時点ではいつ審議されるかわからない状態です。上院で法案が修正される可能性もありますし、いつ可決されるのか、いつ法案が発効するのかなど全て未定です。 オバマケアとは、国民皆保険制度がない米国で公的補助等を通じて全国民に医療保険加入を義務付け、国民の9割以上の加入を目指した医療保険改革です。その結果、米国では無保険者の割合が大きく低下しました。一方、医療費や医療保険料が急上昇するなどの課題も浮上しました。
4月14日、港区南麻布にあるイラン・イスラム共和国大使館において、OMETAと日本医療機器工業会 国際政策委員会ならびにイラン・イスラム共和国大使館共同開催による「イランヘルスケア市場の勉強会」が行われた。 イラン・イスラム共和国(以下「イラン」)は、従来から米国を含む特定の国々から経済制裁を課せられてきた。2016年1月に米国を含む各国が一部規制を緩和したものの、米国ドル、米国人が関与するイラン関連取引は引き続いて全面禁止となっている。また、米国が関与していない取引においても一部制裁は続いている。 しかしながら、近年イランは中国やインドネシア、ベトナム、マレーシア、ブラジルなどと並んで医療機器市場が拡大しており、急成長する新興市場として注目されている。市場規模は2014年の6.9億ドルから2019年には15.3億ドルと予測され、6年間で年平均17.3%の割合で拡大すると見られている。これは中東で最も高い伸び率だ。 イランが医療市場として注目される理由は、ここ15年間に起こると言われている年齢層の大きな変化にある。現在のイランの人口年齢中央値は28.8歳、先進国やアジア諸国に比べてはるかに若い。ちなみに日本は46.6歳である。しかし、65歳以上の人口は2015年の5.1%から2030年には9.7%と15年間で倍近く上昇する。日本では65歳以上の人口が21%を超える超高齢化社会に40年かかったのに対し、中国やシンガポール、タイ、ベトナムは30年でそこに至る。イランもこのまま進むと10年以内には高齢化社会の仲間入りをすることになるという。イランは日本よりもはるかに速いペースで高齢化が進んでおり、世界から大きな医療ニーズが見込まれているのだ。
公取協は平成28年4月から9月までの6カ月間、「貸出し基準推進強化活動」(以下「強化活動」)を実施した。強化活動を経て医療機関側、事業者側双方に実態調査ならびに意識調査を行ったので、その結果(速報ベース)を紹介したい。 医療機関側には、医療機関における医療機器の貸出しに関する実態と、強化活動の認知状況を聞いた。 有償・無償を問わない医療機器の貸出しは、91.3%の医療機関で実施されており、借用内容では「有償のみ」6.1%、「有償と無償の両方」88.3%、「無償のみ」5.6%であった。無償借用の理由としては、「使用している医療機器が故障した場合の修理代替機として」が91.6%で、無償借用後、「返却する」が85.1%。「購入前に実際に使ってみる」85.2%で、無償借用後「返却する(購入等はしない)」が65.7%であった。 医療機器を無償借用する際、医療機関は事業者に「確認書」を提出することについて、「知らない」は10.0%で、「確認書の作成・提出を求めない事業者がいる」という回答が25.1%もあった。これらを踏まえて今後の取り組みについては、事業者の経営責任者に「確認書」は不当な取引誘引行為であると誤解されないために重要であること、資産管理や税務上の観点からも価値があることを訴えていく必要がある。
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