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株式会社スズケン
長谷川 フジ子営業企画部医療情報室(SDIC東京)薬剤師 介護支援専門員医療ビジネス経営学修士(h-MBA)
―昨年、平成26年度調剤報酬改定において、重点課題として、医療機関の機能分化・強化と連携、在宅医療の充実等が掲げられ、医療と介護等が一体に提供される「地域包括ケアシステム」構築という項目が打ち出されました。こうした動きの中で、在宅医療における訪問薬剤師の役割についてお聞きしたいと思います。【長谷川】患者さんのご自宅に伺う薬剤師が担う役割は、先ずは「薬の適正使用」のチェックです。様々なチェックを行いますが、たとえば高齢者になると複数受診するので飲み残しが多く大きな問題となっています。薬の整理を行い患者の状態に応じて、一包化したり、服薬カレンダーにセットして飲み忘れがないように管理したりします。従来、薬剤師と患者さんの関わりは調剤薬局の中で完結していました。ところが、訪問薬剤師は薬局を飛び出して患者さんのご自宅に伺い、薬をお届けするという、これまでとは違った立場で患者さんと関わることになります。そのために今まで以上に患者さんとのコミュニケーションスキルや医師、看護師、ケアマネージャー、介護ヘルパーといった専門家の方々との「多職種連携」についてのスキルが必要となってきます。―在宅医療における多職種の連携はたいへん難しいという話をよく耳にします。新たに多職種のメンバーに加わろうとしている薬剤師においてそれは、職域の拡大という大きな挑戦になるわけですね。【長谷川】 挑戦しがいのあるテーマです。あえて在宅医療に限って言えば、多職種の連携は不可欠なものだと思います。多職種が助け合いフォローし合うことで在宅医療はさらに内容を充実させていくと確信しています。その中で、薬剤師の存在価値がいよいよ高まっていくことを期待しています。
―去る8月26日に開催された日医工の平成27年度定時社員総会において新しい理事が選出されました。本日は新理事4名の方に、今後、日医工がどのような方向性や姿勢を持って活動していくべきか、率直なご意見をうかがいたいと思います。昨年、新たな日医工の方向性を確立するために「REBOOT(再起動)」が提言されました。まずは増田副理事長から、今回の座談会の主旨についてご説明いただきます。【増田】日医工は昨年、創立40周年を迎えました。われわれはこの大きな節目に、もう一度自らに問い直さなければならないと考えました。「われわれは何のために存在しているのか、どのような集まりであるのか、われわれにはどのような存在価値があるのか」という根本的な問いです。先輩方は業界団体の活動を通じて、懸命に医療機器産業を支えていらっしゃった。一企業ではできないことを、力を結集してさまざまな活動を行い、成果を上げてこられました。まず、われわれはそのことを感謝し、しっかり学ばなければならないと思います。昨年迎えた40周年はそうした点を顧みるとても良い機会になりました。それ以上に40周年を機に行わなければならないのは、「将来に向けて日医工はどのような方向性と姿勢を持って進むべきか」を考えることだと思います。この節目を単に通過するだけでなく、一度立ち止まって自らの立ち位置、置かれた状況や環境をしっかり把握することが重要であると考えます。自らを的確に把握してこそ、将来に向けてどのような姿勢でどういう目的に向かって「再起動」すべきか、を決めることができると思います。新しく理事に就任された皆さんに新鮮なご意見を期待しております。
去る7月28日(火)、日医工の法規関連委員会主催の「医療機器QMS省令のための内部監査員養成セミナー」が医科器械会館において開催された。周知の通り、医薬品医療機器法(薬機法)施行により、品質マネジメントシステム(QMS)の遵守が製造販売業者の責任となった。登録製造所に対する管理の徹底が求められるとともに、製造販売業者自身の事業所もQMS調査の対象となる。こうしたことから、「QMSに関する社員教育をどのように充実させ、力量の確保と維持を図ればよいのか」、「内部監査員の研修や資格認定をどうするのか」などの声が会員企業社から多く寄せられるようになった。そこで、法規関連委員会は会員企業の内部監査員の教育研修に役立ててもらうとともに、各社での資格認定に活用できる場として本セミナーを開講した。受講者にはセミナー修了後「修了証」を授与される。修了証は各社における教育訓練/資格認定の記録(証拠資料)として活用され、後述の外部監査員によるQMS監査の際にエビデンスとして提示できる。講師は法規関連委員会の飯田隆太郎委員長が務め、午前は薬機法におけるQMS省令の位置づけ(及びQMS省令第三章の考え方)、QMS省令の逐条解説(第二条を中心に)、午後は内部監査の基本的手法と要諦、ワークショップ、効果確認(研修成果の評価)、修了証の授与などのプログラムが実施された。午後の「内部監査の基本的手法と要諦」ではまず、監査の定義について説明。内部監査は企業組織が内部監査員を任命して実施するもので「第一者監査」に分類される。そのほか外部監査として、企業組織と利害関係のある団体による「第二者監査」、外部の独立した団体(例:ISO認証機関)による「第三者監査」がある。
松本理事長より開会に先立って、以下の挨拶があった。「医療機器産業界に在って工業会を含む団体の存在価値とは何かを問われている。日医工は、昨年40周年を迎えるに当たり『REBOOT-成長と革新-』をテーマに掲げ方向性を示した。REBOOTとは、コンピュータの再起動という意味である。その意味合いから日医工として何をしなければならないか、それは一方は国際化であり、もう一方は地域産業振興であると考える。 グローバルとローカルの調和(グローカル)への取り組みの時代になっている。グローバルとしてはOMETAがウズベキスタンに技術センターを設立する予定。ローカルとしては地域医療機器産業振興クラスターの事業化である。今でこそ医工連携と騒がれているが、その先駆けとなったのは植竹副理事長が東北地域を隈なく廻り医療機器産業振興の支援を行ったことに始まり、それがあって今日の流れができたと自負している。 また、時代のキーワードとしては、バランス感覚とスピードであろうと思慮する。イノベーションを見出す上においては先見性と感性のバランスが大事であり、先進国と新興国の違いを現場目線で見極めることも不可欠であろうと思う。これからはM&Aに加えM&Dという手法も採り入れられ、企業の合併や買収、起業や新規事業が加速し変化していく激動の時代となるであろう。その中で日医工の果たす役割の大きさを痛感する次第である」 総会終了後、株式会社日本医療機器開発機構代表取締役の内田毅彦氏より、「日本発医療機器開発の可能性」というテーマで特別講演が行われた。内田氏は東京女子医科大学病院、榊原記念病などで臨床医として勤務した後、米国へ留学。米国食品医薬局(FDA)で日本人として初めて医療機器審査官として勤務した経験を持つ。平成24年(2012年)に株式会社日本医療機器開発機構を設立。日本初の本格的医療機器インキュベーターとして、医療機器を日本から世界に出していくためのオープン・イノベーション・プラットフォームを構築中である。
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