−−−日本における海外医療機器を輸入する商社の位置づけをどのようにお考えですか。
【浜田】医療機器の場合、ニーズは多様ですが、需要または市場規模がニッチです。全てのニーズを国内製品で賄うには無理があるでしょう。従って輸入医療機器は今後も日本の医療にとって重要な役割を果たし続けると確信しています。その中で我々のような輸入商社が活躍する場面もあれば、海外資本の大手医療機器メーカーが日本で直接ビジネスを展開する場面も出てくるだろうと考えています。
−−−1951年創業のアムコさんの社名が「アメリカン・コマーシャル」という名称からきていることはよく知られています。当初は米国の製品を輸入されていました。浜田さんが入社された頃の製品ラインナップはどのようなものでしたか。
【浜田】15年前に入社した当時、製品の割合は欧州と米国で半々位でした。現在はドイツ製品が主力ですので、ドイツが多い。しかし、これまで通り米国の製品も取り扱っています。最近、米国について注意を引くのはイノベーションの勢いですね。
−−−どういうことでしょうか。
【浜田】まず、ベンチャー企業の数です。全てのベンチャー企業を把握しているわけではありませんが、かなりの数だと思います。世界でも群を抜いている。いろいろなベンチャー企業が開発した商品を日本に輸出したいと盛んに持ちかけてきます。人伝てや大使館経由、展示会場などベンチャー企業を目にする機会が非常に多いです。
−−−欧州のイノベーションはいかがですか。
【浜田】会社を売ることを主要目的としているような企業は米国に比べて少ないように思います。元々、米国のベンチャー企業のマインドは買収されることを目的としていることも多いので、製品自体に情熱を持っていないケースが少なからずあります。
一方、欧州のベンチャー企業は製品で確固たる医療機器産業の足場を作り、企業を成長させるという気持ちが強いように思います。