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ホーム / 日医工ジャーナルダイジェスト
――日医工の会誌として『医用機器』が創刊されたのは1974年9月、大幅にリニューアルしてタイトルも『日医工ジャーナル』と変えたのが2010年1-3月号からでした。そして、今号で400号を迎えます。会誌の編集に携わった皆さんに日医工ジャーナルのこれまでをふりかえっていただき、今後の日医工ジャーナルの在り方についての参考にさせていただきたいと思います。皆さんの中で最も古株は武井さんですね。いつごろから日医工ジャーナル(当時は『医用機器』)に携わったのでしょうか。 【武井】私は弊社の前社長が急逝したため、1998年より日医工の活動を引き継ぎました。広報部会および会誌編集委員会の委員には2000年から、広報部会長になったのは2004年です。 ――久保田さんは武井さんとほぼ同時期に会誌編集に携わっておられましたが、どのような経緯で関わられたのですか? 【久保田】私は現在まで三十数年間、日医工のISO/TC121国内委員会の委員を務めています。その関連で、1987年4月号で「JAMEI/ISO/TC121報告」を執筆し、『医用機器』とのつきあいが始まりました。その後、日医工のアドバイザーとして様々な関わり方をしてきましたが、2001年、その当時の専務理事に『医用機器』に寄稿を依頼されました。それがきっかけでかなり頻繁に寄稿するようになりました。 そうしたおつきあいが続く中、2003年に会誌編集委員長になってくれと言われて、以来、6年間にわたって委員長を務めました。
村垣 善浩氏東京女子医科大学 先端生命医科学研究所大学院研究科 先端生命医科学系専攻先端工学外科学分野/医学部 脳神経外科(兼任)教授
スマート治療室は、別名を「SCOT(Smart Cyber Operating Theater)」と言います。NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)のプロジェクト「未来医療を実現する先端医療機器・システムの研究開発」(期間:2014 〜2019 年)に応募し、開発課題「スマート治療室」として採択されました。2015年度からはプロジェクトがAMED(日本医療研究開発機構)に引き継がれ、現在はAMEDの事業となっています。 スマート治療室のルーツは、1997~98年に本学がスタートした「インテリジェント手術室」の開発プロジェクトです。手術中にMRI画像などを活用できる手術室を作ろうということが趣旨でした。経済産業省の「ME連携ラボ」プロジェクトの支援を受けました。 そもそもなぜ、私のような脳神経外科医がインテリジェント手術室の開発に着手したかというと、私たち脳神経外科医が脳腫瘍の摘出手術を行う場合、従来は執刀医の経験と技術が成否を決めていました。そのため、腫瘍の取り残しがあったり、逆に過剰な摘出により正常な脳神経を損傷し、手術後に合併症が生じる可能性もありました。そこで、より精度の高い手術を実現するためには医療機器を活用すべきと考えたわけです。 2000年にNEDOの「産業技術研究助成事業(若手研究グラント。現在の先端的産業技術創出事業)」に採択されました。これにより、手術室にMRIを設置し、術中画像診断とそれに基づく手術ナビゲーションを利用する「術中MRI」を導入し、多くの脳神経外科手術に適用してきました。
土肥 健純氏 東京電機大学 工学部先端機械工学科 教授 東京電機大学 総合研究所 医療・福祉機器開発・ 普及支援センター センター長 東京大学 名誉教授
【土肥】高齢化社会の進展と診断治療技術の高度化により、病院などの医療施設における医用生体工学(ME)機器の役割はますます重要になってきています。その中で見過ごされがちなのが「保守点検修理」だと思います。特に国外、とりわけ東南アジアでのメンテナンス体制が不十分であるという指摘があちこちであります。 中進国や開発途上国では、その国特有の自然環境や気象条件、例えば高温多湿であるとか、埃っぽいなどの条件によって故障しやすい状態にあります。また、医療機器の取扱いに慣れていないために手荒く扱って壊してしまうことなどがあり、医療機器にとって過酷な条件にあると言っていいでしょう。 そうしたことに医療機器メーカーは対応しなければならないのですが、日本の中小医療機器メーカーはメンテナンス体制が確立されていないことが多い。欧米のメーカーは現地拠点を創設し、メンテナンス体制をしっかり構築した上で市場を攻略します。そのため、競合する欧米の大手医療機器メーカーに取引先を奪われるケースが少なくないと聞いています。日本の医療機器メーカーは欧米に比較しても非常に品質の高い製品を提供しているにも関わらず、メンテナンス面での対応が不十分ということで市場を奪われている。これは非常に悔しいことです。
飯村 康夫氏厚生労働省 医政局経済課 ベンチャー等支援戦略室 室長
平成28年7月29日に発表した本省の「医療のイノベーションを担うベンチャー企業の振興に関する懇談会」報告書によって、初めてベンチャー室の設置計画が公になりました。まず懇談会が開催された背景についてご説明します。 懇談会の開催には塩崎恭久厚生労働大臣の強いリーダーシップがありました。欧米では、医薬品・医療機器等の開発におけるイノベーションの中心を担っているのが医療系ベンチャーの存在ですが、それに比べ日本は大きく出遅れ医療系ベンチャーの活躍が限定的であるという現状があります。医療系ベンチャーの振興が日本の医療の発展に欠かせないことが明らかであるにも関わらず、医療系ベンチャーが育つ環境にない。そこで、懇談会でベンチャー振興をどのように行うかをご検討いただきました。 その結果、医療系ベンチャーの振興方策がまとめられました。医療系ベンチャーの「エコシステム」の確立に向けた振興を図ることで、ベンチャーが“牽引車”となってベンチャー発のイノベーションを促進していくというものです。 医療系ベンチャー振興の実現を目指すために次のような目標(ゴール)を設定しました。日本のベンチャー発の医薬品、医療機器および再生医療等製品が国内外で数多く上市され、日本および世界の保健医療水準の向上に寄与するとともに、日本の経済成長に貢献する。 また、実現を目指すための展望(ビジョン)として、ベンチャーをイノベーションの中心として発展させることで、世界で最も優れた事業環境を備えた国を目指すとともに、優れた研究などのシーズ・技術をベンチャーが育て(事業化)世に出す→ベンチャーが大きく育つ→ベンチャーと連携あるいは買収して発展する医療系企業が増える、という“好循環”(エコシステム)を生み、それを高め加速を図る。 そのために「3つの原則」と「3つの柱」を設定しました。
表紙と目次はこちらをご覧下さい。(PDF)
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