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理事長メッセージ

激動の今、如何に生きるべきか
―「頭」は冷静・・に、「心」はかく ―

<「想定外」と「非常識」の違い>

 〝春は名のみの、風の寒さや〟。こんな「早春譜」のメロディを口ずさみたくなる季節になってきたなと思っているうちに、〝風の寒さ〟どころではなく、今や世界中が二つの突風に吹かれまくっています。一つは新型「コロナウィルス」かぜに始まって、変異型「オミクロン」かぜに。更には幾つかの派生型に分化して、今はより感染力の高い「かぜ」に置き換わりつつあります。そして、もう一つの「プーチン」かぜなる突風は「ロシア・ウクライナ」紛争という火に油を注いで、世界中を震撼しんかんとさせています。江戸末期の儒者じゅしゃとして知られる佐藤一斎の「春風しゅんぷうをもって人に接し、秋霜しゅうそうをもって自らをつつしむ」という言葉をプーチンに送りつけてやりたいと思うのは私だけでしょうか。
 かてて加えて、3月16日・深夜の「震度6強」の地震は、ただでさえ電子部品等の入手遅延の昨今、各産業分野の部材供給網に大きな打撃を与えました。しかし、この地震は前者の「オミクロン」」かぜと同様、あくまで「想定外・・・」の自然現象で「非常識・・・」とは言えません。それに対し、その理由の如何はともかく多数の人命を奪っている「プーチン」かぜは「想定外」というよりは「非常識・・・」と言えましょう。

   

<「想定外」への対応>

 最近のNY外貨市場では一時、6年ぶりの円安・ドル高を記録しています。昔から「円安」は輸出ビジネスにとっては「儲け」のチャンスと言われてきましたが、昨今の輸入品の「割高」感はそれどころではありません。当面、医療機器にとってのキーワードは「安定供給・・・・」と言っても過言ではないでしょう。

<「頭」は冷静に>

 こうした「想定外」「非常識」の如何を問わず、世の激動に対しては、あくまで「先」を詠んで、冷静に戦略・戦術を樹てたいものです。

<「心」は温かく>

 しかし如何なる事態にあっても、「心」は温かくありたいものです。先日も関係筋の求めに応じて、駐日ウクライナ大使をお訪ねし、心からなる励ましの言葉を述べてきましたが、自国の国旗を模したマスクが印象的でした。


―以上―

一般社団法人 日本医療機器工業会

理事長 松本 謙一