ホーム / 理事長メッセージ

理事長メッセージ

今こそ、日本の「医療」と
「病院経営」を考えるとき
―「業界人」として、より以前に「国民の一人」として―

< 都市部で相次ぐ病院閉鎖、休止医療の未来は >

 去る6月1日(日)NHK TVで Ⓐ朝の9時から1時間「日曜討論『日本の医療を考える-医師の偏在・病院の経営危機-安心できる医療を守るには』」を視聴後、 Ⓑ夜の9時からはNHKスペシャル「追いつめられた病院で相次ぐミスやトラブル・医療の未来を切り開く」を視て、大きなショックを受けました。一例を挙げれば、前者からは「コロナ時は病院に一時的公的助成金が出て一息ついたが、終息後はそれも止まり、財政、ひっぱくの結果、今や全国で61.2%の病院が経常赤字に苦しんでいる。」
 老朽化した建物の建て替えは勿論不可能だし、資材(医薬品や医療機器を含む)コスト負担や、又、人手不足からくる人件費のこうとう等、とても並みの診療報酬(公定価格)ではまかないきれません。

< 医師の偏在対策 >

 今日の「医療法等の改正」後は、特に「専門医の偏在対策」を考えないと大変です。医師のみならず、医療職の不足も然りです。例えば離島の場合、先ず看護師が現地へおもむいた後、「オンライン」で医師の指示を仰ぐ等も一例。特定技能職としての外国人材の育成・活用も「有り」でしょう。勿論、それらにはコストもかかります。
 更には「」の育成!も不可欠です。又、国民にこうした様々な「医療の現状」を知ってもらうことも必須です。

< 業界人として >

 このような実状を知った上で、「医療機器の3原則」を強調したいものです。即ち①「安定供給」-課題は、人手不足、資材不足etc. ②「医療DX」-課題は、電子カルテ1つをとっても病院側のコスト負担力etc. ③「国際展開」-課題は、相互関税を含む激動する世界経済の中で、ますます複雑さを増す「国際戦略」です。

< 結びに >

 本稿を書き終えて、あらためて「マクロ」から「ミクロ」を併せ見て考えることの大切さを痛感する昨今です。


―以上―

一般社団法人 日本医療機器工業会

理事長 松本 謙一