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日医工ジャーナル ダイジェスト

Vol.45 No.406 2018.10-2019.1 ダイジェスト

歴史日医工 創業100年企業の軌跡
老舗は激動の時代を乗り越え発展を遂げる

  東京商工は創業100周年超となる企業を「老舗企業」と定義している。わが日医工の会員企業に老舗企業はどのくらい存在するか調べてみた。他にも100年企業はあるが、今回取り上げるのは以下の6社である。創業年の古い順から紹介しよう。周年数は、2019年時点としている。
 サクラグローバルホールディング株式会社:1871年(明治4年)創業、148周年。村中医療器株式会社:1903年(明治36年)創業、116周年。永島医科器械株式会社:1910年(明治43年)創業、109周年。株式会社武井医科光器製作所:1917年(大正6年)創業、102周年。ミズホ株式会社:1919年(大正8年)創業、100周年。これらの企業に続くのが、1921年(大正10年)創業のユフ精器株式会社で、2年後には100周年を迎える。
 東京商工の言う「激動の時代を乗り越え、常に変化する経済動向や環境に対応した」こと、そして「高い技術力や時代に即した製品開発を進めてきた」ことが、これら6社を100年以上存続させた理由なのは明らかだが、もう1つ、医療機器企業であることが大きかったのではないだろうか。
 各社の創業は明治から大正にかけてだ。1868年、明治時代に入るとともに、日本にさまざまな西洋の文化や文明が入ってきた。西洋医学が採用され、同時に西洋医学で使用する医療機器も導入されることとなり、日本の医師達は国産の医療機器の必要性を徐々に感じるようになった。
 日本における本格的な医療機器の発展は、20世紀初頭に起こった日露戦争以後に始まる。そして、大正時代には国産の医療機器が登場するようになった。創業100周年以上の医療機器メーカーは時代の波を乗り越え、それぞれの歴史を紡いできた。本項では、6社が企業として、いつ飛躍のきっかけをつかみ、いつエポックを見いだしたのかを、時代背景とともに紹介する。

医療情報5カ年の「中期経営計画」の目的と現在の到達点
医療機器センターが2016年度から推進中

 【菊地】これまでにもセンターは時代の要請に応じて業務内容が追加・変更されてきました。今後も社会環境の大きな変化の中で、センターに期待される役割や社会的使命も変化していくものと考えています。また、産官学臨の関係者とともに成長する組織でありたいとも考えており、外部の意見も踏まえながら、5年後、あるいは10年後を見据えて中長期の計画を策定しました。
 目標は「過去の事業を継承しつつ、新しい事業を創造していくこと」です。
 私がセンターの理事長を拝命したのは2012年です。それまでもセンターとは密接に関わってきました。私から見たセンターは、どちらかと言えば、行政や医療機器業界からの仕事の依頼や委託があったものを粛々と引き受けて粛々と実行するという機能に留まっていました。
 2015年はセンターが創立して30周年の節目の年でした。この年は国を挙げての医療の推進戦略が明らかになり、中でも医療機器産業を大きな産業に育て上げようという機運が高まった時期でもありました。
 しかし、医療機器産業は取り扱っている製品が多品種であり、業界団体も品種別に細かく分かれていることから、業界全体で統一した要望を出す、あるいは行政対応、医療界対応がなかなか難しいのが現状です。そうした中で医療機器業界、行政、アカデミア、臨床現場といった産官学臨それぞれの領域を超え、まとめる役割の組織がないのが大きな問題点だったと思います。

賀詞交歓小泉進次郎衆議院議員など政界、関係省庁の方々が出席
2019年新春賀詞交歓会パレスホテル東京で開催

 1月10日、パレスホテル東京・橘の間において、日本医療機器工業会の2019年新春賀詞交歓会が盛大に開催され、政界や関係省庁の方々から本年の指針や抱負、展望などが語られた。
 冒頭、松本謙一理事長が挨拶を行った。理事長は、激動の時代が続く中、業界団体として、企業として、個人として最大限の自助努力をしていかなければならないと述べた。
 業界団体としては、昨年秋に医機連が発表した「医機連産業ビジョン2018 –Society5.0を支える医療機器産業をめざして–」に則って、日医工は「健康寿命の延伸」、「イノベーションの加速に向けた環境整備」、「デジタル技術(AI、IoT等)の更なる活用、医療機器の安全管理・安定供給・トレーサビリティの強化等」の積極的な推進を行いたいとし、「とりわけ、R-SUD(単回使用医療機器の再製造)のさらなる促進に関して力を注いでいきたいと思います」と述べた。
 企業としては、製品の不具合やコンプライアンスなどの問題に注意を払っていきたいとし、「また、イノベーションやAIという課題に関しても積極的に対応していきたいと思います」と語った。

医療安全第57回手術用メスの安全セミナー 横浜市で開催
第58回人工呼吸の安全セミナー 広島市で開催
●手術用メス安全セミナーに看護師83名、臨床工学技士27名など計156名が参加

 今回で第57回目を迎えた日医工主催の「手術用メスの安全セミナー」が、2018年11月17日、神奈川県横浜市の横浜ビジネスパークウエストタワー7階大会議室で開催された。
 同セミナーは最も安全性を必要とする機器の1つである手術用メスの安全使用を啓発するために行っている。毎回、医師や看護師、臨床工学技士などの手術室スタッフやディーラーなどの参加者に対し、使用上の基礎知識の習得や「安全な手術機器のためのワークショップ」を実施している。
 今回は、看護師を中心とし、44病院から看護師83名、臨床工学技士等27名、また、12企業から46名の計156名が参加した。また、講演の内容を手術室勤務1~3年目程度の看護師向けの実践的なものとした。

●人工呼吸安全セミナーに医師1名、看護師94名など計142名が参加

  2018年12月1日、日医工主催の「人工呼吸の安全セミナー“人工呼吸器等の基本的知識習得のために”」が広島県広島市の広島市文化交流会館で開催された。
 同セミナーは、最も安全性を必要とする医療機器の1つである人工呼吸器について、正しい知識に基づいた安全な取扱い方法や点検・管理、保守の方法を啓発することを目的に実施している。今回で58回目を数えた。
 対象は実際に人工呼吸器を使用する医療現場の医師、看護師、臨床工学技士、または、修理・保守サービスを担当しているディーラーなどである。今回は医師1名、看護師94名、臨床工学技士等16名、理学療法士等8名、作業療法士3名、また、企業から20名の計142名が参加した。